Q & A : VOL1:ジルコニアは割れないですか?
明日、明後日で雪が降る可能性があるみたいですねー。
僕の生まれは長野県下伊那郡天龍村。
長野県でも最南端に位置するので雪はあまり降らないのですが
それでも20cmくらいは毎年積もってた気がします。
父親に火で炙って作ってもらった竹スキーを懐かしく感じます。
どうも
斉藤歯科医院院長の北澤です。
患者さんから日々質問されることに
お答えしていこうかと思います。
Q1:ジルコニアは割れないですか?
患者A子様:以前友人のセラミックスが割れたという話を聞きました。
高額な費用を払ったのにショックだった、と。斉藤歯科医院のセラミックスは
大丈夫ですか?
A:これはよくある質問です。
セラミックスは高価な自費診療になるため、そもそも早期にダメにならないか
不安な方が多いみたいです。
結論から申し上げると当院で使っているセラミックスは現在日本で使えるセラミックスの中で
1番の強度があります。
種類で強度を比較してみました
メタルセラミックス(PFM):100MPa MPa=(曲げ強さ)
e-max(二ケイ酸リチウム):400~500MPa
ジルコニア(酸化ジルコニウム):900~1200MPa
メタルセラミック
時代と共に多くのセラミックスが生まれてきましたがその組成や制作方法は大きく異なります。
僕が歯科医師になった20年ほど前はメタルセラミックが主流でした。綺麗に前歯を仕上げるには
これしか選択肢がなかったのが事実です。審美面を考慮すると歯科技工士の技術に大きな差が生まれ
ますが非常に綺麗に仕上がりました。ただ、強度が低く、割れて金属が露出することが度々ありました。
e-max(二ケイ酸リチウム)
これは10年ほど前に流行った材料です。
歯の明度のコントロールがしやすく、審美領域に非常に美しく作ることができました。
現在も第一選択にされている歯科医院は多いかと思います。
しかし入れた直後はいいのですが5年ほど経過すると急に割れやすくなります。
そのため当院では一切使わなくなりました。
ジルコニア(酸化ジルコニウム)
7年ほど前から急に出てきた材料です。
e-maxの欠点を補うことができる非常に強度が優れた素材です。
ジルコニウム(Zr)という金属の酸化物、二酸化ジルコニウム(ZrO2)です
出てきた当初は明度のコントロールが難しく、色が合わせられず
さらには細部の調整ができなかっために初期のジルコニアは使えませんでした
しかし、最近のジルコニアは色調のコントロールが素晴らしく
さらには細部の再現性も優れているため当院では強度も色調も適合も優れている
ジルコニアが第一選択になります。
以上のようにセラミックスには種々の利点欠点があり、長い変遷の中で改良が加えられて
現在に至ります。
回答になりますが
見た目も美しく、適合もよく、強度も優れ、耐久性、清掃性も優れたジルコニアに勝る材料は
今のところ存在しません。人が作ったものには変わりありませんので絶対に割れない保証はありませんが
現在使える材料の中では第一選択になることは間違いありません。
以上です
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